まさにグレイテスト・ショー!『THE GRATEST SHOWMAN』感想

 

見終わった瞬間、次はいつ見ようかと考えていました。

 

本作は、実在の興行師をモデルとした物語。

ヒュー・ジャックマン扮する主人公P・T・バーナムが、貧しい出身ながらも常に持ち前の機転と発想力で人生を切り進んで行く姿を描きます。

 

この物語の中で、彼は幾度となく周囲の人々に夢を語ります。

わくわくする未来、自らの意志で切り拓く人生。

 

彼の夢に触れた人々は、彼が語る世界に惹かれ、

彼と共に夢を生きる人生を歩むことを選ぶ。

勇気を持って切り拓いていくことを選ぶ。

その姿こそ、まさに偉大なるショーマンそのものです。



本作のスタイルは最近流行りのミュージカル映画。

日本のアニメやドラマ、CMを見てもわかるように、

今の映像業界には歌と踊りが欠かせなくなってきています。

 

近年良かったミュージカル映画はアナ雪、モアナ、

少し遡ってマンマ・ミーア!、そしてレ・ミゼラブル。

 

レ・ミゼラブルで素晴らしい歌唱力を示してくれたヒュー・ジャックマンが、本作でも好演、熱演!

バーで踊りながら若き演出家を口説くシーンなど、スタイリッシュでカッコ良すぎます!

 

怒涛の音楽とダンスに彩られ、

ストーリーはテンポよくもめまぐるしく展開していく2時間はまさにショーそのもの。

 

最初から最後まで息を吐く間も無く圧倒され、

とにかくまた劇場で見なければ、とエンディングロールを眺めながら決意していました。

 

これは自宅でテレビで見る作品ではない。

とにかく画面から発せられるエネルギーというか、パワーがハンパない。

 

こういう作品を作るのはやはりアメリカとしか言いようがありません。

邦画ではこれほどのパワーの作品は絶対に作れないでしょう・・(優劣の問題ではなくて、得意科目の問題だと思いますが)。

 

なので、本作は、できるだけ、音響と映像の設備がよい映画館で見てほしいです。

今回はTCエックス×ドルビーアトモスで、追加料金を払ったが全く惜しくありません。

次回も極力良い環境で見たいと思います。

 

さて、本作はミュージカル映画であるとともに、もう一つの側面を持ちます。

近年一層注目が高まっているダイバーシティです。

 

本作のもう一人の主人公は、あらゆる差異、ハンディキャップを持つ人々。

彼らはフリークス(異形や畸形、異様な物事の意)と呼ばれ蔑まれ、日陰に生きざるを得ない日々を送っています。

しかしバーナムに口説かれ、彼の描く美しい未来に惹かれ、彼に乗ることを決める。

そしてやがて、サーカスの中に居場所を見つけるのです。



そこで彼らは、熱く、生命力に溢れたショーを披露します。

作中に出てきた言葉ですが、その様はまさに「人類の祝福」。

彼らの生きる力と誇りに溢れた歌とダンスには、胸を熱くするしかありません。

 

サーカスの一員に、東洋人がいます。

彼女は若く美しい空中ブランコ乗り。

彼女もまた、差別される側の人間なのです。

 

2018/4/15 追記

なんと・・

3回目の視聴にして初めて気が付いたのですが、彼女は黒人という設定でした。

正直、アン自身は全く黒人には見えないのですが、

お兄ちゃんを見れば確かに・・・。

(はっきり黒人蔑視の描写もあるのですが、

あれがお兄ちゃんということにも3度目まで気づかず)

恥ずかしい記録ですが、見え消し状態で残しておきます・・。

 

今思えば鈍かった自覚はありますが、

はじめ彼女が出てきたとき、彼女のハンディキャップが何なのかピンときませんでした。

作中で彼女を「メイド」と蔑称するシーンでようやく

東洋人であるということ自体が彼女の特異点なのだと理解。

 

私自身も東洋人で、ほぼ単一民族国家である日本に住んでいるから

中々感じる機会はないですが、たしかに東洋人は差別対象なのでした。

 

その視点に全然気づかなかったことに関しては、

つくづく自分が鈍かった、と思いますが・・

違う見方をすると、もはや東洋人は明確な差別の対象ではなくなってきている、

と言えなくもないのではないでしょうか。

少なくとも、私のような鈍感な人間がすぐには気づかない程度には。

世界目線で見ればまだまだ残っているのは分かっていますが、以前に比べれば大分。

 

そして一方で、彼女以外のサーカスのメンバーに対しては、

「フリークス」とされている描写に違和感を持たなかったのは

(もちろん、良しとしている、という意味ではなく、理由が判った、という意味で)

私の心の中に、当然のように彼らとの差異を認識する気持ちがあるからでしょう。

 

これからダイバーシティは更に進んでいきます。

いつかこの作品を見る未来の子供たちが、

そもそもなぜこの人たちはサーカスに誘われたのか?

が分からない時代が来るのかもしれない。

それを思うと、楽しみなような気がします。

 

おすすめ度★★★★★(5点/5点満点)

この作品が好きな人におすすめの作品
→映画『レ・ミゼラブル』『MOANA(モアナと伝説の海)』

この作品をおすすめしたい人
→ミュージカル映画が好きな人、シルクドソレイユなどのショーが好きな人

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