十二国記の新刊タイトル決定!『白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)』シリーズ未読でもまだ間に合う!おすすめの読み順は?

待望の長編新刊『白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)』発売決定!

2013年に刊行された文庫『丕緒の鳥』から約5年…本編という意味では2001年の『黄昏の岸 曉の天(そら)』から実に約17年ぶり!!!の長編最新作、ついにタイトルが発表されました!

『白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)』

文庫全4巻というこれまでにない超大作で、2019年10月、11月の二ヶ月連続刊行が予定されています。

まだ間に合う…!今からでも『十二国記』シリーズ沼ってください!

十二国記知識ゼロの方は出来れば黙ってこれを読んでいただきたいんです。

十二国記シリーズを1000%楽しみ尽くすには、余計な知識を入れずに刊行順に読んだいただくのがベストなんです。本当に…お願いだから…この先の記事なんて読まなくていいから…。

関連記事→【全人類】お願いします『魔性の子』を読んでください【必読の書】



未読の方に伝えたい『十二国記』シリーズの魅力

十二国記の何が良いってそんなの2、3行で伝えられるわけがないんですよ。

でも、少しだけも…!

十二国記の魅力①世界観が凄い

文化、制度、言葉、世界の成り立ち…隅から隅まで作りこまれていて、小説の中に全く異なる世界が存在するんです。

空想の生き物が王を選定したり神仙や妖怪が跋扈していたりと滅茶苦茶ファンタジーなのに、嘘臭さが微塵もない。

その世界で様々な人が生きて、死んで、悩んだり葛藤したり成長したりしている。

世界観がリアルだからそこに暮らす人々も、その苦しみもリアルなんです。

十二国記の魅力②キャラクターが魅力的で、生き様が格好いい

十二国記の主要キャラクターは国を統べる「王」たちなんですね。

十二国記の世界観における王という存在は、我々の世界における統治者たちよりも存在意義が大きくて、その人が賢人で居続けられるかどうかが国の興亡を左右する。

だから基本的に王で在り続けているキャラクターやその周りの登場人物は基本的に賢人なんですが、それでもみんな悩み、もがき、間違えて、自分なりに答えを出して、正しいと信じる道をひたすらに進んでいる。

その姿が、読者である我々の胸を打ち、気づきを与え、勇気を持たせてくれるんです。

十二国記の魅力③小野主上のストーリーテリングに翻弄される

まず一行一行が胸に響くんですよ。

その一行一行は、十二国という架空の世界を垣間見せてくれるものだったり、キャラクターの素敵な姿だったり、何気ない日常の一コマだったりとそれぞれです。

でもその一行一行が組み合わさって、いつの間にかストーリーの大きなうねりとなり、ラストに向けて盛り上げて盛り上げて盛り上げて…昇天っ!させてくれる…!

時に主人公をどん底まで打ちのめし、人間の昏さを描き切り、生きていく気付きを説教臭くなく伝えてくれる。

そして不思議なことに、読み返す度に心に響く「一行」が変わっていて、そのたびに新しい感動をもたらしてくれるのです。

主上ーーー!どこまでもついていきます!!!



十二国記シリーズおすすめの読み方は「刊行順」一択です!

文庫にして9作発行されている十二国記シリーズ。

読み方のおすすめは絶対に刊行順です。

特に番外編でありながら一番初めに刊行された「魔性の子」から読むことを強くおすすめします。

魔性の子』1991年
月の影 影の海』1992年 ★
風の海 迷宮の岸』1993年 ★
東の海神 西の滄海』1994年
風の万里 黎明の空』1994年
図南の翼』1996年
黄昏の岸 曉の天』2001年 ★
華胥の幽夢』2001年 ※
丕緒の鳥』2013年 ※

但し、最新刊のためにどうしても最短時間で予習したいんだ…!という方は★を上から読めば大丈夫です。★のシリーズで大きなストーリーが進行しています。

ちなみに※は短編集です。

episode0 魔性の子

一番初めに出版された、十二国記シリーズ外伝。

舞台は日本。

神隠しから戻ってきた少年、高里 要。彼に関わると祟られる、その被害範囲はどんどん拡大して…。

恐らく一回読んでも意味がわからないシリーズ本編読了後に2周目必須の驚愕のエピソード0!

出典:新潮社 十二国記 公式HP

episode1 月の影 影の海(登場国:巧、雁、慶)

ごく普通の女子高生、陽子。

ある日突然バケモノに襲われ、謎の金髪男ケイキに連れられ異世界へ。

しかし途中でケイキとはぐれ、陽子は異界でひとり過酷な旅を強いられる…。

*****

上巻は辛い辛い辛い。

突如異界に投げ出され化物に容赦なく襲われ続けるという状況も辛いし、実は陽子には帰るべき故郷である日本にも居場所がない。

肉体的にも精神的にもズタボロ。

…からの下巻!

自己との対話を繰り返し、どんどん成長する陽子。

仲間との出会い。

明かされる真実、世界の仕組み。

上巻で抉ってからのラストシーンまでの爽快感が半端ない一作です!

 

episode2 風の海 迷宮の岸(登場国:戴)

麒麟(王の選定者)の視点から王選びを描いた作品。

泰麒がひたすらに可愛い、この物語を読む理由なんてそれだけで良いじゃないですか…。

とは言え本作はシリーズ全体を貫くエピソード上の重要な一作でもあるわけです。

新作は戴を舞台とした話なので、本作はマストリードですよ!

更に加えるならば、本作は魔性の子の裏側を描いた作品でもあります。

まあまずは冒頭を読んでデジャブに襲われてみてください。

 

episode3 東の海神 西の滄海』(登場国:雁)

舞台は新王・尚隆の即位から30年程を経た雁国。

王という存在に疑問を抱き続ける六太が旧友に再会するところから物語が始まります。

しかしその再会は策略で、六太は人質として捉えられ…。

*****

大人気、雁主従が主役!

六太と尚隆の出会いが描かれた必読の書です!

六太がひたすらに可愛い、この物語を読む理由なんてそれだけで(略)



episode4 風の万里 黎明の空』(登場国:慶、恭、芳、才)

同じ年ごろの3人の娘、陽子、祥瓊、鈴。

王・元公主・海客という、それぞれ立場の異なる3人が慶東国で出会い、その運命が重なり合う…!

*****

『月の影 影の海』ぶりの慶、陽子がメインのお話です。

王としての陽子の第一歩、そして慶の主要メンバーが勢ぞろいという贅沢な一作。

いくつもの物語が絡み合い、怒涛のエンディングを迎えます!

 

episode5 図南の翼』(登場国:黄海、恭、奏)

王の不在が長く続く恭国、そこで一人の少女が立ち上がる。

”王選び”を昇山側から描いた一作。

*****

大人気キャラ、珠晶が主役の物語。

風の海~とは逆で、昇山する側(王の候補者)の視点で王選びが描かれた一作です。

十二国独特のシステムである昇山の仕組みを知ることができ、世界観がぐっと深まります。

人気の高いあのキャラもサプライズ再登場!震えます…。

 

episode6 黄昏の岸 曉の天(そら)(登場国:慶、雁、戴、範、漣)

魔性の子から以降の物語で度々匂わされてきた、戴で何が起こったのか?についに触れられる一作です。

また、その過程でこれまであまり関わり合うことのなかった国々が行動を共にする点も必見!

『魔性の子』の裏側を描いた2つめの作品であり、戴のその後が描かれる最新作を読むためにマストリードですよ!

 

episode7 華胥の幽夢(かしょのゆめ)

「華胥」(登場国:才)
「冬栄」(登場国:戴、漣)
「書簡」(登場国:慶、雁)
「帰山」(登場国:柳、奏)
「乗月」(登場国:芳、恭、慶)

の5作品が収録された珠玉の短編集。

幼い泰麒が可愛すぎて涙が出る「冬栄」や陽子と楽俊の絆が描かれた「書簡」など、どれもキャラクターや世界観を深めてくれる作品となっていますので、短編集とはいえ必読です!

 

episode8 丕緒の鳥 (ひしょのとり)

「丕緒の鳥」(登場国:慶)
「落照の獄」(登場国:柳)
「青条の蘭」(登場国:雁)
「風信」(登場国:慶)

の4作品が収録された短編集。

同じ短編集といっても、比較的主要キャラクターと関連した作品群が収録された『華胥の幽夢』とは異なり、十二国で生きている人々の目線で描かれた作品群となっています。

主ストーリーの行間を描いた一冊…世界観の奥深さに是非、魅了されてみてください。



新潮社版と講談社版の違いは?

十二国記は3種類発行されていますが、結論から言えば新潮社版文庫を読めば間違いありません。

いずれもストーリーに違いはありません。

まず、一作目であり外伝の『魔性の子』が新潮社文庫で発行され、それ以降の作品が講談社ホワイトハートで刊行されました。

ホワイトハートは少女向けのラノベ文庫で、挿絵が付いています。

その後、大人向けの講談社文庫で挿絵無し、一部の仮名が漢字に変更され刊行されました。(~『華胥の幽夢』)

そして10年以上新作が発表されない時期を経て、新潮社が完全版と銘打ち、既刊本を全巻新作挿絵付きで再刊行。

同文庫より新作短編集の『丕緒の鳥』が刊行され、この度の新作長編刊行に至ります。

待望の新刊まであと2か月、長かった…!

待望の新作、『白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)』は戴が舞台。

公式からの発表はまだありませんが、本編は次回長編で完結という話もあったと記憶しています。

外伝にして第一作目である『魔性の子』から続く戴の物語に決着がつきそうな本作、シリーズ完結だとしても頷けます。

生きて物語の完結を読めるのは嬉しいけれど、喪失感もまた凄そう…。

そんな複雑な気持ちを抱きながらも、あと2か月、楽しみに待ちましょう!

 

待望の新刊は社会人読者にもやさしい休日刊行!

一、二巻が10月12日(土)、三、四巻が11月9日(土)発売です!

※2019/8/30追記

第一巻、第二巻、ネット書店での予約が開始しました!

美麗過ぎる表紙も解禁!!

やばい、もう泣けてきた…。

※2019/11/12追記

『白銀の墟 玄の月』第一、二巻、最高!感想アップしました!→

『白銀の墟 玄の月』第三、四巻感想はこちら→

 

 

十二国記シリーズは既に読みつくしたッ!という方には、同じ小野不由美先生作品の『屍鬼』と『東亰異聞』もおすすめです!

 

十二国記級の骨太ファンタジー!こちらもオススメ!

 

 

十二国記好きの方に是非読んでいただきたいオススメ漫画はこちらにまとめています。

大人が読んでも絶対に面白いおすすめ名作漫画まとめ

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

Optionally add an image (JPEG only)

関連記事

一度ハマったら抜け出せない!ロックスミス系キャラクターの底知れない魅力…。

【2019年】読んだ本備忘録【小説・ビジネス書・おすすめ】

麻耶雄嵩『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』『神様ゲーム』感想

十二国記新刊『白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)』第三、四巻感想!

【全人類】お願いします『魔性の子』を読んでください【必読の書】

新参者 映画「祈りの幕が下りる時」感想