熱すぎる漫画家の熱すぎる自叙伝「アオイホノオ」

 

庵野やめろ!

俺より面白いものをつくるんじゃねえ!!

 

『逆境ナイン』やアニメ店長で有名な、とにかく熱い漫画家、島本和彦先生の自叙伝的名作『アオイホノオ』(原作はまだ連載中、既刊18巻)。

 

原作も勿論面白いのですが、今回特にオススメしたいのはドラマ版です。

 

ドラマ『アオイホノオ』は、Huluで無料おためし視聴可能です。

日テレドラマ
※2018年7月時点の情報です。最新の配信・キャンペーン情報はHuluサイトにてご確認ください

 

 

時は1980年代初頭。舞台は大阪芸術大学。

原作者である島本和彦先生の若かりし頃を投影した主人公「焰モユル」の七転び八起きの芸大ライフがストーリーの軸となっています。

 

本作はフィクションと銘打たれているものの、モユル君の同級生は、

庵野ヒデアキ(後の『新世紀エヴァンゲリオン』監督)、

山賀ヒロユキ(後の株式会社ガイナックス取締役社長)、

赤井タカミ(後の『天元突破グレンラガン』プロデューサー)といった

実在のそうそうたる顔ぶれ。

 

彼らに勝手に対抗意識を燃やしつつ、なかなか見えぬ自らの将来に向かって悪戦苦闘するモユル君のキャンパスライフ・・。

熱すぎる原作を忠実に再現した、熱すぎるドラマに仕上がっています。

 

ノリは明らかに低予算B級深夜ドラマ。

全力でチープ。

全力で昭和臭。

全力で島本節。

 

監督は『勇者ヨシヒコシリーズ』や『THE3名様』(懐かしい・・)、最近だと『実写版 銀魂』で有名な福田雄一監督です。

 

福田監督といえば、『ヨシヒコシリーズ』のような淡々とした会話劇に小ネタを挟んでジワジワ面白い系のイメージが強かったのですが、本作ではがっつり島本節を再現してくれます。

 

いちいち大袈裟なコテコテB級感が、とにかく熱い島本節と絶妙にマッチしていて、最高に面白い。

 

低予算B級深夜ドラマといいつつ、演じるは実力派俳優陣。

主役のモユル君を演じるのは柳楽優弥くん。

あまり熱血漢のイメージがなかった柳楽くんですが、めちゃくちゃハマっています。

元々くっきりした顔立ちなところも、劇画調の島本節にぴったり。

周りを固めるのは、今や福田組に欠かせない安田顕、ムロツヨシ、佐藤二郎、濱田岳・・このキャストで面白くならないわけがないです。

 

女性陣も綺麗どころを集めていて、山本美月、黒島優菜、こじはる、市川由衣といった美女達が好演しています。

特に、昭和レトロな島本ミューズを具現化したかのような山本美月の下手くそな関西弁がくせになる・・すごいやん、ホノオクン、才能ありすぎ~♡

 

ストーリーは、まさに最初からクライマックス。

テンション高過ぎのままあっというまに40分・・というか全11話が駆け抜けていきます。

最初の10分のノリがその後もずっと続くので、視聴を迷っている方はそれだけ見てもらって、合う・合わないを判断してもらってよいと思います。

 

熱過ぎて、とがりまくって、叫びまくって、すぐ調子に乗って全力で落ち込む、おバカなホノオくん。

 

誰にでも覚えがあるのではないでしょうか、アオイ時代の、「俺だけが分かってる感」「俺だけは万能感」が終始炸裂です。

 

『タッチ』連載前に『ナイン』を連載していたあだち充に対し、

「何か足りない・・だが俺だけは、お前の良さを分かっているぞ・・あだち充よ・・!」

と心の中で語りかけるホノオくん。

 

『うる星やつら』の連載を始めた高橋留美子に、

「どこへ向かっているんだ・・!」

と呼びかけるホノオくん。

 

学生時代の庵野秀明に対し、

「お前はアニメを作る側じゃない、見る側なんだよ・・!」

とマウントを取るホノオくん。

 

ホノオくんが上から目線で評していく彼らが、

ことごとく実在する上に現在では大物になっているため、

ホノオくんのアオさがリアルに伝わってきて、なんとも可笑しいのです・・。



さらに、古谷徹のナレーションと共にいい感じの昭和臭を漂わせるBGMをはじめ、

楽曲もこのドラマを彩ってくれています。

 

特にオープニングのウルフルズ『あーだこーだそーだ!』は名曲なのでぜひ聞いてみてほしいです!

楽しく熱く一生懸命なホノオくんにぴったりのメロディと歌声。

更に、音楽に合わせて流れる映像は、

色々なアニメの特徴的な動き(いわゆる金田動きなど)を

キャストがダイナミックに再現したもので、実に愛溢れるオープニングとなっています。

 

また、柴咲コウさんが歌うエンディング『蒼い星』は

しっとりとしたバラードで、熱々の本編をほどよく鎮静してくれます。

 

エンディングロールとともに流れるサービスカットも

毎回小ネタが効いていて見逃せません。

(サンデーの歴代編集者や、山賀氏、赤井氏などのご本人登場なども)

 

また、その他登場キャラクターにオタキングや手塚治虫氏がいたり、

ところどころで大御所声優さんを起用していたり、

モユル君や庵野が語るアニメや漫画の蘊蓄もたっぷり・・と、

漫画・アニメ好きには一層楽しめる作品となっています。

 

もちろん、漫画・アニメはあんまりわからない・・

という方にとっても面白い作品だと思いますので、

ぜひ、はじめの10分だけでも見てみてくださいね!

 

 

おすすめ度★★★★★(5点満点)

この作品が好きな人におすすめの作品
→勇者ヨシヒコの冒険

この作品をおすすめしたい人
→島本漫画が好きな人
→島本作品に拘わらず、漫画・アニメが好きな人

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