『地球へ…』でソルジャーブルーが目指したもの

BANANA FISHについて書いた流れで、24年組(※)についても書きたいと思います。

※24年組とは・・
70年代に台頭し、少女漫画に革新をもたらしたとされる漫画家たち
昭和24年頃生まれであることから、24年組、花の24年組と呼ばれる
萩尾望都先生、竹宮惠子先生、山岸涼子先生など



(勝手に)24年組シリーズ、第一弾は竹宮惠子先生の『地球へ…』。

 

惠子たんと言ったら風木だろー!

という声が聞こえてきそうですが、『地球へ…』も言わずと知れたSF大作。

更に、今回は原作ではなく、2007年に放映されたアニメ版をおすすめしたいと思います。

基本的には原作史上主義で、アニメや映画は二次創作でしかない、と考えていますが、時として、原作に並ぶ、ともすれば、超える作品があるのも事実だと思っています。

この平成版『地球へ…』は、その稀有な作品の一つで、アニメ化大成功の作品と言えるのではないでしょうか。

 

アニメ版『地球へ…』のここが凄い① 制作陣の原作愛、原作リスペクトが凄すぎる

監督が山崎理(ヤマサキオサム)という方なのですが、もうこの方の愛が半端ない。

そもそも平成版アニメ『地球へ…』はこの方が企画から立ち上げていて、アニメ化決定と同時に監督業務に専念するために独立までするという力のいれよう。

放映当時は、毎週HPで各話への愛や意気込みを叫ばれていて、とてつもない熱量を持ってアニメ化に臨んでくれているのだなあ、というのが伝わってきたと記憶しています。

 

アニメ版『地球へ…』のここが凄い② 絵が美麗過ぎる

②以降は、結局制作陣の愛ゆえの結果だと思うのですが、アニメ化にあたって一切妥協が感じられないんですよね・・。

もう、絵がめちゃくちゃ綺麗。

キャラクターデザインが結城伸輝(エスカフローネ、ロードス島戦記、坂道のアポロン、orangeなどのキャラデザの方)という方で、この方のイラストがもう・・・美麗としか言いようがない・・・。

ちょっとクセのある惠子たんのイラストを、また上手くデフォルメされて、それでいて儚げな瞳や繊細なオーラはそのままで・・と、もう、いちファンが描いて欲しい人にキャラデザをお願いしたよねオサム監督!!という感じなんです。

そしてこのデザインが動く動く。

2期のOPだけでいいから見ていただきたい。

 

宇宙という背景としてはこの上なく美しいモチーフをバックに、ブルーが、ジョミーが、キースが、シロエが、マツカが、トオニイが動きまくります!

しかも、アニメオリジナルでスター・システム(他作品のキャラが出演すること)が適用されていて、なんと風木からはセルジュが登場!

もうね、マツカが隣に並ぶとジルベールにしか見えないですから・・。

 

アニメ版『地球へ…』のここが凄い③ 声優陣が豪華&キャスティングが抜群

これもスタッフの愛故の所業だと思うのですが、声優陣が最高です。

声質がぴったりなだけでなく、みんな演技が上手い・・。

ほんと、原作ファン冥利につきるアニメ化・・。

一部キャストだけご紹介するとこんな感じです。

 

ジョミー・マーキス・シン/斎賀みつき

キース・アニアン    /子安武人

ソルジャー・ブルー   /杉田智和

トォニィ        /喜多村英梨(幼少期)、杉山紀彰(青年期)

フィシス        /小林沙苗

ジョナ・マツカ     /高城元気

セキ・レイ・シロエ   /井上麻里奈

サム・ヒューストン   /羽多野渉

リオ          /浪川大輔

キャプテン・ハーレイ  /小杉十郎太

※敬称略

 

まあ、お分かりいただけたかと・・。

ほんと、このキャストで実現できたことに感謝しかない。

特に9話の井上麻里奈さんの演技・・神!!!

 

アニメ版『地球へ…』のここが凄い④ 音楽が5億点&主題歌も良い!!

絵もよくて声もよくてもうお腹いっぱい・・。

と思ったそこのあなた!!!

甘い!!

アニメ版テラは音楽も至高!!

 

いやこの音楽こそがアニメ版テラの成功の鍵と言ってもいいのではないでしょうか。

BGMの作曲は高梨泰治さん。

NARUTO、プリキュア、地獄少女、モノノ怪などなどご担当されている方。

もうね、聞いて!ニコ動とかにOSTアップされてるから聞いてください!!

宇宙、荒廃、未来、願い、希望、悲しみ、戦い・・『地球へ…』のすべてがそこに詰まっています。

 

さらにさらに、主題歌もとってもGOODなんです!



1期OP『endscape』song by UVERworld

タイトルとなっているendscapeは、end(最後の)+scape(景色)の造語。

「最後の風景」ではなく、「究極の景色」「理想郷」という意味を込めているそう。

『地球へ…』において、ブルーやジョミーが目指した場所、物語の果てに辿り着くべき場所・・。

もう、この言葉を作ってくれた時点で好意しかない。

タイトルだけでなく歌詞の中身も、しっかりと『地球へ…』という作品をテーマに描いてくれています。

また、イントロがすごく耳に残って、オープニングにふさわしいテンションと、シリアスなテーマにふさわしい切なさや情景、近代化と荒廃が同居する『地球へ…』の世界観にぴったりで、この楽曲なしにアニテラは語れない!

それに加えて、作画がまた曲に沿ってるんですよね・・。

 

1期ED『LOVE is…』song by 加藤ミリヤ

ハイテンションなOPから一転してカノンモチーフの壮大なバラード。

本人PVを見るとブライダルソングのようですが、『地球へ…』は壮大な愛の物語ですから。全然合います。

特に9話の入りはずるい。泣くしかない。

2期EDもよかったけど、最終話はこれで締めて欲しかった。

 

2期OP『JET BOY JET GIRL』song by 高橋瞳

第1期が終わり物語も新たな場面に突入、画面的にもナスカ組やマツカが加わって華やかに盛り上がる名曲。

宇宙観溢れるイントロから、サビの疾走感、爽快感はアニメーションとの相乗効果で震える・・。

トオニイの急成長シーンは必見です!!

 

2期ED『This Night』song by CHEMISTRY

意外とアニメに楽曲提供しているケミストリー。

いい感じにSF感だしてくれています。

 

あとあと、最後になりましたが、主演の斎賀みつきさんが歌う劇場版『地球へ…』主題歌は必聴です!!

サイガー男前すぎい!

 

2018/11/27追記

アマプラ神か!!

DVD最終巻限定だった本編最終回後特定映像付きで配信とか…!有難うございます…!(涙)

Amazonプライム『地球へ…』

 

おすすめ度★★★★☆(4.0点/5点満点)

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