何故か低視聴率だった名作ドラマ『重版出来!』が面白い

 

まさかのムンバイ!

 

ふりむけばガンジス!

 

今更ながら、2016年に放送されたドラマ『重版出来!』が面白いです!

 

顔立ちは地味めながら、しっかりとした演技でドラマを盛り立ててくれる、女優・黒木華の連ドラ初主演作品。

周りを固めるは、オダジョー、松重豊、ムロツヨシ、小日向文世、ヤスケン、荒川良々、滝藤賢一・・、といった実力派揃い。

この顔ぶれだけで骨太な作品を期待せざるをえないですよね。

原作は同名の漫画作品ですが、未読です。

 

以下、あらすじはwikipediaより。

舞台の中心は週刊コミック誌の編集部。新人女性漫画編集者・黒沢心を主人公に、漫画家を支える編集者の仕事を描く。出版業界を支える編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員、一般に裏方と呼ばれる人々の努力や連携があってこそ、初めて1冊の本が読者のもとに届くのである。“作品は漫画家だけの力では売れない現実”をリアルに描いている。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

新人編集者である黒沢心(黒木華)は元女子柔道のオリンピック強化選手。

とにかく熱く、愚直なほど真っすぐで素直。

常に前向きでめげず天真爛漫、

一方で細やかな気遣いができる繊細さもあり、

言いたいことははっきりと言う度胸もあり、

曲者揃いの色々なタイプの上司と合わせられるコミュニケーション能力もあり・・

と、同じ社会人としてやや面食らうほどキラキラしている。

 

でも決して嫌味がましくなく、

黒木華のおっとりとした顔立ち、

透明感あふれる雰囲気、

澄んだ声とキラキラした瞳がよく似合っています。

 

1話は大御所漫画家先生の凋落と復活、

2話は地道なアシスタント出身者の開花、など・・、

基本は一話完結でテーマを持たせつつ、

様々な角度から、

漫画家と出版社、そして書店の結びつきや苦悩、努力を描き、

いい感じのBGMで盛り上げてちょっと泣かせてくれるドラマに仕上がっています。

 

ここ数日、だらだらと一日一話を消化しながら、

いいドラマだな~とみていたのですが、

6話で臨界点突破した感があるので、今日は6話に絞ってご紹介したいと思います。



6話感想<ネタバレ注意>

6話は、ヤスケン扮するベテラン編集者「安井」にスポットが当たります。

安井は「編集業はビジネス」と割り切って、手堅い仕事を効率よくこなすベテラン編集者。

実利重視で、漫画家に寄り添う姿勢は無く、

ドライに徹する仕事ぶりは「ツブシの安井」の悪名を生むほど。

そんな安井のスタンスに、やる気にも人情にもあふれた黒沢はモヤモヤ。

しかし、実は安井もかつては黒沢に引けを取らない熱き編集者だったのです。

 

かつての安井には、心酔する漫画家がいて、

泥臭いほどの仕事ぶりで地道に信頼関係を築き上げ、

家庭を顧みず、休日も仕事に捧げる日々を送っていました。

 

そんな中、あることがきっかけで、

心酔していた漫画家からの信用も失い、家族も失いかけることに。

 

そんな経緯から、安井は今のスタイルに変わり、

そんな過去を知っているから、黒沢以外の編集者は、

実利重視となった安井を責めることができなかった。

 

・・ということが、6話で判明します。

 

こういうエピソードの果てに、

安井ががかつての熱い思いを取り戻す、

というのは安易に考え付くオチなのですが、

6話を経ても、安井はこのままのスタイルを継続することになります。

 

少しの後悔や違和感、

明るく真っすぐな黒沢への羨望を感じながらも、

自身が決めたポリシーを貫く、

社会の厳しさを知った大人の渋みを、ヤスケンが見事に演じてくれています。

 

そしてその安井を、旧来の仲間であり、

辛酸嘗め尽くし清濁併せ呑む和田編集長(松重豊)がしっかりと理解している様に、胸を打たれました・・。

 

きっちり金を稼ぐ安井がいるからこそ、他の部分で冒険ができるのだと、

態度と言葉で、しっかりと信頼と、承認を示してくれている。

こんな上司の元で働きたいものです。

 

6話を皮切りに、物語は終盤へとなだれ込みます。

 

自分が凡才であるという現実と向き合い始めるベテランアシスタント(ムロツヨシ)。

人生をかけて漫画を描く、偏屈で危うい天才(永山絢斗)。

何だかんだ美味しいところを持っていく、大御所御蔵山先生(小日向さん)。

 

癖のあるキャラクターとエピソードが絡み合い、

最終回後はすっきりとした爽快感と、

仕事がんばろー!という気持ちにさせてくれる良作です。

 

『重版出来!』はAmazonプライムHuluで視聴可能です。

 

おすすめ度★★★★☆(4点/5点満点)

 

『重版出来!』面白かった~!という方にはこちらもオススメ!!!

→ドラマ『アオイホノオ

こちらはクリエイターを目指す側視点の物語!テンションは違うけど、キャストが重なる部分もあり、おススメ!

→関連記事:熱すぎる漫画家の熱すぎる自叙伝「アオイホノオ」

 

→アニメ『SHIROBAKO

こちらはまさにアニメ版『重版出来!』!

アニメ制作現場の裏側とバタバタが描かれています。

特に前半12話までの盛り上がりが激アツです!!!

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