ボクガール・・。
『ボク』で『ガール』。
みなさん、この言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
いわゆるボクっ娘。
ちょっと前に流行った「男の娘」。
どちらも違うと言えるし、ある意味そうだとも言える。
このボクガールという物語は、魔法の力で身体が女の子になってしまった男の子、鈴白瑞樹を主人公とするラブコメディなのです。
主人公である瑞樹は、男らしくありたいという気持ちは人一倍強いものの、その心とは裏腹に、美少女に見まごうような容姿を持つ、中性的な男の子。
そんな彼がある日、心はそのままに、身体だけ女の子にされてしまいます。
元々可愛い瑞樹ですが、
女の子になるとますます可愛い。
エロ可愛い。
ヘルシーな色気、そして透明感が半端ない。
筒井康隆が著書『家族八景』の中で、若い乙女の肌を“水蜜桃”と表現していましたが、まさにそんな感じで。
さてさてさて、そんなこんなで容姿は真実・美少女になってしまった瑞樹ではありますが、それでも心は男の子のまま。
瑞樹には想いを寄せる女の子がいます。
藤原さんという、心優しくスタイルも抜群の美少女。
皮肉なことに、女の子になってから瑞樹と藤原さんの距離はぐんぐん縮まっていきます。
瑞樹は身体の秘密を隠しながら、藤原さんへの恋心と女の子になってしまった身体に振り回される日々を送ることに。
そんな日々で頼りになるのが、幼馴染である一文字猛(たける)。
猛は筋骨隆々のザ・男といった恵まれた体格の持ち主。
見た目は厳ついが心優しい猛は、瑞樹の秘密を知る唯一の存在。
そんな猛は、何かと瑞樹のサポートをしながら、日々色っぽくなっていく瑞樹に、次第に友情以上の気持ちを感じ始めていくのです。
そして、猛の熱い視線にあてられ、瑞樹の心も次第に身体に引きずられ・・。
そう、
漫画『ボクガール』は、
百合と
BLと
NLの
全方向を狙ったとんでもない漫画なのです!!!
けしからん!実にけしからん!
しかもちょっとエッチなのです。
いいぞもっとやれ。
元々は男の子の瑞樹。
女の子になってしまった自分の身体や、女の子としての欲求にも興味津々。
無自覚に色気を振りまいたかと思えば、男の矜持を思い起こして羞恥心に顔を赤らめる瑞樹。
そんな瑞樹の破壊力抜群の言動を、猛と読者は容赦なく浴びせかけられるわけです。
猛、よく我慢してるよ・・。
瑞樹と猛は、やがてお互いの気持ちに気付き、友達の距離感に変化が生まれて・・。
ラッキースケベイベントも発生し・・。
ドキドキが止まらない・・。
物語ラスト、瑞樹は男に戻るのか、女のままでいるのか、という究極の選択を迫られます。
その選択に至るまでの、心の揺れ動く様の描写がとても丁寧で、誠実で。
単なるラッキースケベ漫画と一線を画すストーリーも楽しむことができる漫画『ボクガール』。
回を重ねるごとに、どんどんどんどん綺麗になっていく瑞樹をぜひ、お楽しみください!
おすすめ度★★★★☆(4.0点/5点満点)